済衆館で行う再生医療

先進医療も住み慣れた場所で、済衆館病院の再生医療

済衆館の再生医療

済衆館病院の再生医療

済衆館病院が提供する再生医療は『脂肪幹細胞を用いた重症虚血肢に対する血管新生療法』です。

私たちの体を作る細胞の中には、細胞を作るための元の細胞、すなわち『幹細胞』が備わっています。

幹細胞は大きく分けて、

  • 分裂して同じ細胞を作る能力(自己複製能)を持つ体性幹細胞
  • 別の種類の細胞に分化する能力(分化能)を持つ多能性幹細胞

の2種類があります。

体性幹細胞
(自己複製能)
人の皮膚・血液・皮下脂肪などに元々あって、決められた組織や臓器において古くなった細胞を補うことができる
多能性幹細胞
(分化能)
胚性幹細胞(ES細胞)や人工多能性幹細胞(iPS細胞)など、体のどのような細胞でも作り出すことができる

済衆館病院では体性幹細胞のうち、自己皮下脂肪組織由来再生前駆細胞(Adipose Derived Regenerative Cell)と言われる、患者さんご自身の 『脂肪幹細胞(ADRC)』を用いた再生医療を行っています。

この細胞は文字通り、皮下脂肪組織の中に含まれていて、様々な組織修復機能を有することがこれまでに国内外の多くの研究で明らかにされています。

脂肪幹細胞(ADRC)について

脂肪幹細胞(ADRC)について

脂肪幹細胞(ADRC)を利用した再生医療が手足の潰瘍・四肢切断を救う!

患者さんご自身の皮下脂肪から採取した体性幹細胞である『脂肪幹細胞(ADRC)』を患部に投与すると、投与した箇所に新しく毛細血管ができ、炎症を鎮め、組織の修復や機能回復を促進します。

ES細胞やiPS細胞などの(良くも悪くも何にでもなれる)多能性幹細胞と比べ、

  • 倫理的な問題や発がんリスクが少ない
  • 幹細胞を採取する際に患者さまへの体の負担が小さい

ことが特徴です。

ご自身の細胞を使うため拒絶反応も無く安全性も高く、これまで治療が難しかった疾患に対する有望な治療法として期待されています。

私たちは、約10年間に渡る名古屋大学における一連の研究で、この『脂肪幹細胞(ADRC)』を移植することにより、重症の上肢や下肢の虚血性皮膚潰瘍が高率に治癒することを確認しています。

対象の疾患・症状

再生医療の対象疾患・症状

上記の疾患で、『じっとしていても痛みがある方』『皮膚に潰瘍ができている方』『これまでの標準的な治療法では改善しない方』が、当院での再生医療の対象となります。

現在、日本において生活習慣の欧米化や高齢社会の進行とともに、動脈硬化を基盤とする虚血性疾患(虚血性心疾患・脳血管障害・末梢動脈閉塞性疾患など)にかかる患者さまの数は増加しています。

末梢動脈閉塞性疾患やバージャー病・膠原病による血管炎は、手足の動脈が狭くなったり詰まったりして進行性の血行障害(虚血)を引き起こします。

軽症から中等症であれば、手足の冷感・しびれや間欠性跛行(歩くと足が痛くなる)などの症状が、重症化すると安静にしている時の痛みや皮膚潰瘍や組織が死滅する(壊死)などの症状が現れます。

そのための標準的な治療として、

  1. 理学療法(運動療法など)
  2. 薬物療法(抗血小板剤や血管拡張薬など)
  3. 血行再建術(カテーテル治療やバイパス手術など)

があります。

ただし、これらの治療では『改善することが出来ないほど重症な方』や『治療効果が十分でない方』がおられます。

対象の患者さま

再生医療による治療を希望した上で、下記の条件をすべて満たし、文書による同意が得られる患者さまが対象となります。

再生医療を受けて頂ける条件

  • 年齢が20歳以上の患者さま。(性別不問)
  • フォンテイン Ⅱb~Ⅳの末梢性虚血性疾患(閉塞性動脈硬化症、バージャー病、糖尿病、膠原病)のために日常生活が著しく障害されている患者さまで、以下【A】【B】のいずれかを有する患者さま。

    【A】 禁煙を含めた生活指導・薬物療法・経皮経管的血管形成術・バイパス手術・神経節ブロックなどといった従来からの治療法では回復がみられない患者さま。
    【B】 血管外科医および循環器内科医により血行再建術の適応がないと判断され、今後肢切断が余儀なくされる患者さま。
  • 術前ならびに術後の1カ月間の禁煙に同意された患者さま。
  • 細胞移植で生じる効能(治療効果)・副作用・手技による合併症・利益・不利益を文書により充分に説明を受け、患者さま自らの意思および家族の理解と承諾に基づいて、細胞移植医療を希望する場合で、文書により同意が得られた患者さま。

上記に該当される方でも、医師の判断により治療の対象とならない場合があります。まずは受診していただき、ご相談ください。

広報誌の再生医療特集

マンスリー済衆館だより希望

特集脂肪幹細胞を用いたい再生医療を始めました!

当院では2022年8月より、皮下脂肪の中に含まれる『脂肪幹細胞』を用いた手足の血流障害による痛みや皮膚潰瘍に対する再生医療を、名古屋大学医学部循環器内科学講座の全面的なバックアップのもと開始しました。

マンスリー済衆館だより『希望』188号PDFは、診療科紹介とともに、脂肪幹細胞を用いたい再生医療について掲載しています。

済衆館で行う再生医療に関するお問合せ

再生医療に関するお問合せは、病院代表電話へご連絡ください。

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